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 経営陣が自社の株式を取得するマネジメント・バイ・アウト(MBO)。この手法を使った上場廃止が相次いでいる。東京証券取引所では2010年、オフィス向けコーヒー販売の最大手ユニマットライフやビルメンテナンスの東京美装興業、ベビー用品のコンビが、またJASDAQに上場していた中堅出版社の幻冬舎もMBOによって上場を廃止した。最近ではCD・DVDレンタルの「TSUTAYA」などを展開するカルチャー・コンビニエンス・クラブ(CCC)が上場廃止の道を選んでいる。

 M&A助言のレコフによると、2011年1月から2月8日までのわずか1か月に、MBOによる上場廃止を選択した企業はじつに6社にのぼり、昨年のほぼ半数に達している。

■わずか1か月で2010年のほぼ半数に

 レコフの調べでは、2010年のMBOの実施件数は全体で69件。前年に比べて21件減った。しかし、このうち上場廃止を選んだ企業の割合は、2.2ポイント増えて18.8%を占めた。

 さらに、2011年はこの1か月ほどでMBOの実施件数が全体で7件。このうち、上場を廃止した企業はじつに6件を占めている。

 1月以降にMBOによる上場廃止を明らかにした企業は、東証1部に上場する衣料品通販のイマージュホールディングスや引っ越し大手のアートコーポレーション、CCC、ジャスダックに上場するソフトウエア開発のワークスアプリケーションズや溶融亜鉛メッキ専業の田中亜鉛鍍金などと相次いだ。

 MBOが急増する背景には景気悪化による業績の低迷と、それに伴う株価の低迷で株主の「目」が厳しくなったこと、また監査費用など上場を維持するコスト負担が大きいことがある。

 MBOを選択する企業はオーナー経営者が多い。野村証券投資調査部シニアストラテジストの西山賢吾氏は、「独自のスタイルに基づいた経営で業績を伸ばし上場を果たしたが、一方で株主などの利害関係者との調整や敵対的買収への懸念など、ネガティブな影響もある。そうした中で結果的にMBOという判断に至るのではないか」とみている。

■背後に投資ファンドや銀行の存在

 2006年ごろから増えてきたMBOだが、ここ数年までは未上場子会社の経営陣がMBOを仕掛けて親会社から「独立」するケースが少なくなかった。未上場のため、株主数が限られていたり、経営陣が過半を保有していることもあり、MBOにかかる金額も数億〜数十億円で収まっていた。

 それが最近は、これまで株式を公開していた企業が上場廃止を目的にMBOの手段をとるため、MBOにかかる金額も大きくなる傾向にある。2010年のMBO金額は全体で1740億6800万円だったが、このうち上場廃止を前提としたMBOにかかった金額は1627億2600万円と90%を超した。

 MBO金額の規模が大きくなることで経営者は買収資金の不足分を、バイアウト・ファンドや銀行から調達するケースも増えている。たとえば、2月4日にMBOの実施を発表したCCCの場合は現在、全株式の41%を保有している創業者の増田宗昭社長が、同氏が100%出資する買い付け目的会社のMMホールディングスを通じて最大696億3500万円で自社を買収するが、買い付けが成立した後には、みずほコーポレート銀行や三井住友銀行が約1000億円を上限に融資することを約束している。

 「トップダウンによる経営の立て直しに成功すれば、再上場という道もある」(野村証券の西山氏)ことから、バイアウト・ファンドや銀行も側面支援に力を入れつつある。

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 今週の日経平均は今年の高値圏で堅調に推移する見通し。想定レンジは10400円〜10800円程度。エジプトのムバラク前大統領の辞任を受けて全権を掌握した軍最高評議会は、「すべての地域、国際協定を順守する」との声明を発表した。イスラエルとの平和条約を堅持する姿勢を明確にしたことで、中東の平和が直ちに脅かされることがなくなった。この地政学的なリスクの低下は世界の株式市場にとってポジティブに作用する見通しだ。

 ところで、18日から19日までパリで開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議では食料価格高騰を抑えるため、国際監視体制の創設に向けた話し合いがされる予定だという。具体的には、1次産品の備蓄状況や、デリバティブを含む商品取引情報を監督機関が収集し、警戒態勢を強めることになるとみられている。今回の会議で有効な手立てが講じられるとの期待が市場で高まれば、新興国のインフレ沈静化期待が高まり、これまた、世界の株式市場にポジティブに作用することだろう。

 ただし、米国のQE2が継続するなど、先進国の金融緩和が続く限り、新興国のインフレ懸念は燻り続ける。同時に、新興国はインフレへの対応策として、金融を引き締め続ける公算が大きい。このため、ヘッジファンドなどは、新興国からインフレリスクがほぼ皆無の日本など先進国に資金を移し続けるだろう。これは海外投資家の日本株買いという形で継続するとみる。

 一方、国内勢は個人、金融法人ともに売り越し姿勢を継続する見通し。逆張りを好む個人は、日経平均が今年の高値圏にいるため、利益確定売りを急ぐ公算が大きい。金融法人もまた、3月決算を睨み、粛々と持ち合い解消売りを出し続ける見通しだ。この国内勢の売りと海外勢の買いが交錯する結果、日経平均は急騰せず、じり高傾向を辿るとみている。なお、国内勢の売りは相場を壊すような売り方ではない。つまり、想定以上に外部環境が悪化しない限り、パニック的な売りは出ず、日経平均は底堅い状態が維持される見通しだ。

 ちなみに、14日、大証のデリバティブ(先物・オプション)市場に、新システムである米ナスダックOMX社製の「J−GATE(ジェイ・ゲート)」が導入される。処理能力が現行比20倍となるほか、昼休み(午前11時〜午後0時半)が廃止となり、日中取引が午前9時から午後3時15分まで連続するなど、日本固有の取引方法が廃止される。この結果、先物・オプション市場では、アルゴリズム取引が急拡大することが予想される。また、「J−GATE」導入の影響を見極めたいとの雰囲気も強まることだろう。

 このような状況下、投資家はインデック売買や裁定取引の影響を受け難い、中小型株を物色する公算が大きい。また、3月決算企業の3Q業績もほぼ出揃ったことで、今期のみならず来期にかけても明るい業績見通しが期待できる好業績銘柄も選好されるだろう。さらに、期末接近で高配当利回りが期待できる銘柄や、出遅れ感のある低PBR銘柄などへも物色の矛先が向かう公算が大きい。いずれにせよ、市場の雰囲気は良好であるため、個別株を物色する意欲は強い状態が続くとみている。(編集担当:佐藤弘)

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